ちなみに、年商数十億円を毎年稼ぎ続けている業界の大御所です。
ここしばらくは、動画予告メールが何度も届いた事もあり、トークや見せ方・クロージング等々を研究してみようと思ったわけです。
結果からお話しすると、あまりの酷さに大いに幻滅し、著しく不愉快な気分になり、中途で動画を切ってしまいました。
「いくら何でも、それダメでしょ」の世界なのです。
稼げさえすれば、それで満足なのか
事前のメール内容は、『元金10万円が10年後には1億円を越えます』みたいな感じです。投資関連なんだろうなあ、くらいは誰でも想像出来ますが、詳細はもちろん分かりません。
だからこそ情報商材は、昔も今も胡散くらいの代名詞なのですが。(笑)
それはさて置き、株式投資は以前に私も取り組んでそれなりに稼いでいた時期があったので、大御所のプレゼンが結構楽しみでした。
メールには、『申し込みは動画の中でしか出来ません!』と、読者に緊急性を訴えかけます。
ゆっくり検討する時間など、与えてくれないんですね。(笑)
あおるあおる(笑)
- 『この極秘情報はこれで最後です!』(いったい何百回「これが最後」があるのか?)
- 『極秘に仕入れた超レアな情報!』(怪しく見られて当然)
- 『月に数回クリックするだけでOK!』(ますます怪しい笑)
動画が始まり、いよいよの中味は結局これでした。
【FX自動売買ソフトの販売】
ハイリスクの恐怖をどれだけ説明したのか
動画の内容は、先ず過去の実績報告から始まり、次に投資の基本中の基本だけをサラッと説明、そして後半は販売商品の説明~売込みとの流れです。一口に投資と言っても、リスクの低い投資信託あたりからハイリスク/ハイリターン商品まで、いろんな種類があります。
その中で最もハイリスクを伴うFXは、メリットが大きい反面、それ以上に資金がいっきに消えて大損する可能性も孕む(はらむ)投資商品です。
具体的には、投資資金の最大25倍までの取引(レバレッジ)が可能、これは確かに魅力的ですし大きなメリットと言えます。
しかし逆に言うなら、突然大きな損失を出してしまうリスクも抱えているのです。
そんなリスキーな投資商品であるFXを、何一つ知識も無く『ただお金が欲しいと群がり集まってきた情報弱者』をターゲットにする。
ごくごく簡単な初級レベルの説明をほんの数十分だけ流して、「チャンスはもう二度と無いですよ」とあおって即決させる。
これでは、ネット上で、情報商材は詐欺と貶されても(けなされても)仕方ありません。
ハイリスクを知らない哀れな情報弱者
動画画面の横にあるチャット欄には、次々に書き込みがリアルタイムに表示されます。- 「決めました!」
- 「凄すぎます!」
- 「これからアドバイスお願いします」
- 「人生賭けます」
皆さん、分かってないんだろうなぁ。。
もう何て言うか、深~~いため息が出ましたね。
知らない事はどんなに怖いものなのか、全然分かっていない。
・・と言うより、舞い上がっている自分自身に気付いていなのが明白です。
これでは、自動ソフト購入代金の30万円を捨てる結果になるのが目に見えています。
それで済むならまだマシで、投資資金の何倍ものお金を失ってしまう可能性も決して少なくありません。
半年間で投資資金が倍になった実績
動画では、『購入者サポート期間一年間!』と謳っていました。そしてこの自動売買ソフト、過去半年間にいかに高収益をはじき出したかを何度もアピールします。
なんと、年利回り200%だそうです。
動画では、半年間で元金が二倍なった右肩上がりのグラフをたびたび映し出していました。
もちろん、FXですから、それは可能ですし有り得ます。
世の中には、自動売買でコンスタントに稼ぐ猛者もいることでしょう。
それも専業投資家と言うビジネスとして、素晴らしいと思います。
投資の極意は、如何にして自分の欲を冷静に押さえるかが鬼門中の鬼門です。
無欲で向かい常勝している投資家には、尊敬の念すら抱きます。
マーケットのごく一角で彼らは、常に無欲で闘っているのです。
自動売買と言えども判断を下すのは【人】
ただ、ただですよ。いくら自動売買ソフトが売買をしてくれると言っても、重要な判断を下すのは人=商品購入者です。
月数回のクリックだけで億万長者になれるなら、誰も苦労などしません。
ちなみにFXは、高度な知識と経験が必要とされる投資です。
ズブのシロウトが百戦練磨のプロ投資家たちと同じような結果が出せるかどうかは、話がまったく別次元です。
月に数回クリックするだけで一億円・・・それは極めて可能性が低いと言わざるを得ないのが現実なのです。
投資の世界は【ヤル気さえあれば】では勝てません。
毎日マイカー通勤しているサラリーマンが、F1レーサーと真っ向勝負するようなもの。
その実力の差は、もう比べるまでもありませんね?
結局、そう言う事なのです。
『投資は自己責任』を説明していない
この有名アフィリエーターはそれを分かっていながら、たった一回きりの動画で、ドシロウト同然の情報弱者/投資初心者に対して、その場限りでクローズして高額商品を売ってしまう。正直、これは実に末恐ろしい光景に見えました。
動画に群がってきたカモ同然の皆さん方は、【投資は自己責任が大原則】を、一体どれだけ理解されているでしょうか。。
FXのメリット・デメリットを、わずか数十分の説明だけで理解出来たとは思われません。
おそらく、「理解したつもり」であって、実際には理解度ゼロに近いでしょう。
この状況はもう、まったく哀れとした言いようがないです。
これだから、昔も今も、ネットビジネスは詐欺まがい・情報商材は胡散臭いとのレッテルを貼られてしまうのですね。
売れさえすれば大損しようが自己責任か
本人の名誉のため言っておきますが、今回ご紹介した業界の大御所。胡散臭い商材ばかり売ってきたのかと言えば、決してそうではありません。この方が発売した過去の情報商材は、どん底から這い上がる事が出来た成功者を多数排出しています。
そんな成功者にしてみれば、この大御所はまさに神のような存在に違いありません。
それは素晴らしい事です。
しかしながら今回の問題の本質は、過去の実績ではありません。
情報商材の売り方そのものに大きな問題がある、と言いたいのです。
ネットビジネスは、すべて画面の中だけで完結可能です。
検索するも記事を読むも、申し込みから契約完了まで全てワンストップで完結するだけに、なおさら情報自体に正確性・信憑性が求められます。
情報商材は、その情報自体を商品として販売するので、販売者は購入者が買うまでその内容を知らせるわけにはいきません。
なので、営業トークがおのずと胡散臭くなってしまう傾向があるのです。
モノを売る極意は胡散臭さに繋がる
これもアフィリエイト業界の大御所で、美人女性起業家/実業家(これでお分かりになる方は経験者ですね)の方が、こんな事を言っています。彼女がまだネットビジネス駆け出しの頃、とある情報商材を購入したところ、その内容は驚きでした。
ワード文書が一枚あるだけ!
「あなたが購入するに至った心理状態を思い出して下さい。それこそが商品を売る極意です」
こう書いてあったそうです。
他には何もありません。笑
で、購入代金は10万円!
この女性起業家は、「そうか、なるほど」と大きな気付きを得たと述懐しています。
情報を売る場合、販売レターの書き方が全てだと言うわけです。
ネットビジネスは怪しいとなる原因
問題はまさにここであって、仮にも情報内容の価値がまったくゼロでさえも、販売レターの書き方いかんで、ガンガン売れてしまうのです。だからこそ、詐欺まがりだの胡散臭いだの騙されたと罵倒されてしまうのが、ネットビジネスの現実です。
販売する場合に、どのようにプレゼンし、いかにして営業トークを進め、そしてクローズさせるか(商品購入)。
これは、リアル社会もネット世界もまったく同じです。
リアルでは対面なり電話営業なり、とにかく人対人の対話・会話がベースですね。
ですから、相手のトークを遮ることが出来ます。
「もう帰ってくれ」「結構です」と断れるわけです。笑
【より誠実で正確な情報提供】が必要
結論は、これに尽きます。ネット上でモノを販売するには、販売者が一方的にトークを進める事になります。
とにかく読者(購入見込み者)を常に引きつけ魅力を失わないよう、文字面に全神経を集中させなければなりません。
でもそこで、過剰に煽ったり(あおったり)、必要以上に緊急性をアピールし過ぎてはいけないのです。
まさに、このブログ運営するうえで私自身の戒めにもしたいと思います。