コンフォートゾーンとは安心快適な領域
コンフォートゾーンとは、不安や心配事・悩みが無く、居心地が良くリラックス出来る空間や心の在り方を指しています。仲の良い友達とのおしゃべりや食事を楽しむ時間だったり、時間が過ぎるのを忘れるほど趣味に没頭するひと時は、まさにコンフォートゾーンです。
大好きなクラシック音楽に身を浸したり、待ちに待った旅行に出かけたり、読書の世界にどっぷり浸かったり。。
ひとそれぞれに、心からリラックス出来る居心地の良い時間や空間があるものです。
それこそが、コンフォートゾーンです。
そこに居る状態では、仕事中に有りがちな緊張を強いられた不快な意識(不快感・いらつき)は生まれません。
- 「イライラ」
- 「不愉快」
- 「不安」
- 「心配」
上司や部下との人間関係、取引先とのトラブルや軋轢(あつれき)、人事評価や待遇処遇に対する不満、、、
もう書き出したらキリがありませんね。
コンフォートゾーンでは、これらのストレスは一切有りません。
だからこそのコンフォート(快適ゾーン)なのです。
こころの領域は3つに区分される
心理学においては、人が意識するこころの領域を3つのレベルに分類して住み分け説明しています。- コンフォートゾーン(快適・安心) ストレス無く安心して過ごせる快適な場所・時空間
- ストレッチゾーン(学習・意欲) 現状とは違う、新たな仕事等に向かう状況。多少のストレスを感じる場合があるが、自己成長へ繋がるステップにも成り得る
- パニックゾーン(危機・大きなリスク) 自己の能力をはるかに超えた仕事や課題を持ちかけられ、多大なストレスを抱える状態
ただ、ビジネス上では、いつも変わりなく同じ部署で同じルーティンワークの繰り返しばかりでは成長が望めない場合もあります。
ですから、平均的社員あるいはそれ以下の社員たちを、いかにしてコンフォートゾーンから脱出させるかとの検討・対策も必要であると説きます。
ストレッチゾーンで成長する可能性もある
ストレッチゾーンは、別称ラーニングゾーンとも言われている領域です。身体をストレッチしながらほぐしていくように、このゾーンでは、仕事上新しいジャンルにトライしていくために多少の心的あるいは身体的ストレスを抱える状況になります。
しかしながら、仕事や組織内では異動等に伴って新しい部署へ移ることで、当初の不安や心配などを跳ね除け、大きく成長していくケースも見受けられます。
ストレッチで刺激を与える事は、人が成長するシーンにおいては大変重要です。
つまるところ「ストレスは悪」ではなく、「適度なストレスは必要な場合も多々ある」のが正しいとらえ方なのです。
率先して苦労を背負う人材は少ない
・・と、言葉で書くのは容易い(たやすい)ことですが、いざ現場では「異動して人格成長させたいです」みたいな社員はあまりいないのが実際です。率先して困難なプロジェクトを引き受ける社員も、かなり希少でしょう。
正直、誰しも今の仕事が楽であれば、それに越した事はないですよね。
ここが、理想と現実のギャップで難しいところでもあり、上司としては頭を悩ませるところです。
こんな場合は、
「一歩ずつ進む」 「小さな成功体験を重ねていく」
これに尽きます。
人は、誰もが優秀な人材で入社しているのではありません。
人それぞれに個性もあり、感性も違って当たり前です。
仕事の向き不向きもあるなかで、同じ組織内で一様に同じレベルで仕事をこなして行くのは至難の技だと思います。
でも、進むスピードは違っていても、目指す方向が同じであれば大きな問題は生じません。
ぶっちゃけた話し、ヤル気が無い社員をいかに奮い立たせられるか、これに尽きるのです。
それにはやはり、「ごく小さな成功を積み重ねていく」「無関心⇒関心あり」
この大きなステップを踏ませる事が、時間がかかるようで実は最短最良な方法です。
「絶対にムリ!」と放棄するパニックゾーン
パニックゾーンは、読んで字の如くです。「そんなのムリムリ」と言った、強い拒否反応とあきらめの状態です。
自分のキャパシティを超えた仕事量や、限界をはるかに超えた職種を命じられた場合に起こり得ます。
その際のストレスは相当に大きなレベルで、「絶対に不可能」との強烈な拒否と過度なプレッシャーが続く事による病気発症の可能性もあるため、細心の注意が必要です。
ガッツと根性で乗り切るスパルタ式
昭和の時代には、「根性とガッツさえあれば全て乗り切れる」式のスパルタ教育もありました。あえて限界ギリギリまで追い込むような指導法です。
これは、パニックゾーンに追い込む事と同じです。
人によってはこれが有効に働き、目標達成する生徒や社員も勿論いたでしょう。
しかし一方では、上手くいなかかった場合には大きな挫折感や失望感に苦しむ結果となってしまいます。
人生を大きく変えてしまう恐れもあるので、これは慎重に対応すべきです。
いずれにせよ、自分が快適と感じるゾーンから、ストレッチゾーンへ身を置く事で自己成長していく、これがビジネスでも勉強でも心理学的には有効とみなされています。
コンフォートゾーンを脳内で引きずり上げる
一般的なコンフォートゾーンの考え方とは一線を画する、画期的な理論があります。結論から言うならば、
いま感じている快適安心ゾーンを、自身が心底願う夢や希望のゾーンまでイメージ力で強制的に引き上げてしまうのです!たとえば、今の自分は年収500万円で生活しているとします。
平均的な年収ではあるし、まあ人生こんなものかと言うような感覚で大きな不満はありません。
過度のストレスはほとんど無く、いわゆるコンフォートゾーンで日々の生活を送っているわけです。
でも、コンフォートと言いながらも、
- 「もっと給料上がらないかな」
- 「他社は給料高いんだよなあ」
- 「好条件で転職出来たらなあ」
そこで、今の自分のコンフォートゾーンを理想とするゾーンまで、いっきに上げるのです。
脳内のイメージの中で鮮明に!
この場合、「鮮明にイメージする」事が何より重要です。
現状の快適ゾーンが逆に不愉快になる
たとえばこうです。- 「年収2,000万円の自分」
- 「スイスに別荘を持ち、億万長者となった自分」
- 「毎年数回、海外旅行を満喫している自分」
それらの夢や希望を、脳内で鮮明にイメージします。
その際、「出来るわけないじゃん」と言うネガティブ思考は無しとします。
そうする事によって、「今の年収500万円の自分」が、次第に居心地が悪くストレスが溜まるように感じます。
要するに、年収500万の生活がコンフォートゾーンでは無くなるのです!これは、私たちの脳が持つ驚異的なシステムです。
そのため、年収2,000万円になるような気付きや行動を起こすために、脳は関連情報を集めようと指令を出し始めます。
脳内で意識した事は、自動的に脳がそれに関連する情報を集めるべく働いてくれるのです。
これをカラーバス効果と言います。
詳細はこちらから。
自己評価を強制的に置き換える
この場合、なかば強制的に快適ゾーンを引き上げるわけですから、自分自身の評価を脳内で変換する必要があります。今回のテーマに沿って言うならば、こうです。
パニックゾーンは「絶対にムリ!」と自己評価を下す事から過大なストレスが発生するのを、「いや、楽勝レベルだ」と置き換えます。
「そんな簡単には出来ないよ」と言うネガティブ思考は、一切無視します。
出来ようが出来まいが、とにかく「大丈夫!私は出来る」とポジティブな自己評価を下すのです。
この場合の自己評価を、「エフィカシー」と呼びます。
「自分にはムリ」と言うエフィカシーを、「ついに年収2,000万円を達成した!」自己評価に問答無用で置き換えるのです。
すると、脳内の潜在意識は、「年収2,000万円を得ている」と錯覚します。
ここが重要ポイントです!
潜在意識は、出来る出来ないの判別はしないのです!
潜在意識は一人称が理解出来ない?
ちなみに「潜在意識は一人称を解しない」ことが、最新の脳科学で証明されています。- 「私が」
- 「あなたが」
- 「彼が」
- 「彼女が」
彼だろうが彼女だろうが、誰であろうと「年収2,000万円を達成した」と、大いなる勘違いをします。
これは、数ある脳科学者たちが提唱している実証済みの科学ですから、信じる信じない以前に受け入れる価値は有ると私は考えています。
ちなみにこの理論は、苫米地英人氏によるものです。
ドリームキラーが夢も希望もぶち壊す
この流れになると、大抵の場合こう反論が聞こえてきそうです。- 「そんなに簡単に実現できるわけないでしょ」
- 「楽観的すぎる」
- 「それで実現出来たら苦労しないわ」
意味のとおり、夢を殺す者。
ドリームキラーは家庭内でも職場でも友人同士にも、必ずいますね。
- 「もっと現実を見なさい」
- 「なんでコツコツ働こうとしないの?」
- 「楽ばかり考えてると人間ダメになる」
一見すると、これが大人の考え方、みたいな風にも見えるかも知れません。
でも、本当にそうなんでしょうか?
再考すべき余地は充分にあると私は考えます。
さてあなたは如何でしょうか?
最後までお読みいただき、有難うございました。